会長挨拶

  平素から、熊本県消防協会の業務運営に関し、ご理解、御協力をいただき、誠にありがとうございます。
 当協会は、昭和23年4月の設立以来、これまで消防団員並びに消防職員の活動の支援を行う団体として、県民の皆様に対する防火思想の普及啓発をはじめ、地域防災力の向上等に関する様々な事業を行ってまいりました。
 現在、県内には、12消防本部と45消防団があり、約3万余の消防職員・団員は、仕事や学業の傍ら、県民の皆様の安全・安心の確保のため、火災や災害発生時における避難誘導、人命救助、初期消火活動など、昼夜を問わず献身的に消防活動に尽力しています。
特に、近年は大規模な自然災害が全国でも発生しております。本県におきましても、平成28年の熊本地震や令和2年7月豪雨において甚大な被害が発生しており、消防団にとりましても「前例がない」という言葉だけでは済ますことができない時代に入っております。
 このような中、消防団は、いつ発生するか分からない自然災害に対して常備消防と連携し、活動を行うとともに、大規模災害時等には多くの消防団員が出動し、地域住民の安全・安心な生活を守るため、重要な役割を果たしております。
 しかしながら、近年、就業構造の変化(サラリーマンの増加)や過疎化、少子高齢化の進展等により、消防団員数が全国的に減少しており、本県においても、この10年間で10%減少しています。
また、今後も、起こりうるであろう災害の発生を防ぐことは困難であり、災害に対する備えや被害を少なくする減災の取組みなどの地域の防災力を維持・強化することが必要であります。
このため、消防団は、地域防災力の要として時代に即した消防団づくりとこれを担う団員確保に取り組みながら、消防団の使命とその活動として「自らの地域は自らで守る」という郷土愛の精神の下、住民の安全安心を守る地域の砦として重要な役割を果たしています。

今後も、各消防団員の皆様は、これらの大きな誇りを胸に、その役割を自らの本分として、消防団の地域防災活動に取り組んでいただきたいと思っております。

 県民の皆様におかれましても、これら消防団の地域防災活動を身近なものとしてご理解をいただき、積極的にご参加とご協力をお願いするものです。
熊本県消防協会としても、関係機関と連携を密にして全力で取り組んでまいりますので、引き続きご支援、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。


   令和3年6月

一般財団法人 熊本県消防協会
会 長